×××市の西のはずれ、海の手前にちょっとした草原がある
ある日その草原に濃密な雲が浮かんだ
直径は100mはあろうかという重たそうな灰色の雲であったという
不思議に思った近隣の住民たちが集まり眺めていると、
雲はその場でくるくると回りだした
驚いた住民たちは大きな声で話し合ったが
少しすると雲から雨が降り出したという
大粒の雨は地面をうがち、
1時間もすると美しい池が出来上がった
そのころには雲は真っ白で軽やかな姿をしていたという
雲はすーーーーっと真上へ飛んでいき、
やがて上空の雲に紛れてわからなくなった
美しい池にはみるみるうちに青緑の美しい水草が繁茂し
色とりどりの美しい花をたくさん咲かせた
そしてその花々の一部は美しい魚に姿を変え、優雅に泳いだという
_______________________
そう語った人物はよくうそをつくので信用ならない話であるが、
×××市の西、海のそばには
確かに美しい池、△△池があり、
多種多様な固有の水草が自生しており季節には花を咲かせ、
美しい魚が群れを成して泳いでおり
「神秘の池」と呼ばれている
コメント
コメントを投稿